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津田健次郎のAI声裁判で初の司法判断!AI声真似は違法になるの?

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声優・津田健次郎さんの声をめぐる裁判で、「人の声もパブリシティ権の保護対象になり得る」という初の司法判断が示され、大きな注目を集めています。

これ、一見するとすごさが分かりませんが裁判所が初めて人の「声」もその人らしさとして守られ得ると示したことがすごいんです。

生成AIの進化によって、本人が話していない言葉まで本人そっくりの声で作れる時代。声優さんが声の保護を求めるニュースも多いですよね。

今回の津田健次郎さんのAI声裁判で何が争われ、裁判所がどこまで判断したのか。法律に詳しくなくてもわかりやすいように調べてみました。

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津田健次郎のAI声裁判で何があった?

今回の裁判の発端となったのは、津田健次郎さんの声に似たナレーションを使った動画です。

TikTokの特定アカウントが、都市伝説や心霊、雑学などを扱うナレーション動画を多数投稿していました。

その声について視聴者から「ツダケンの声がする」「声が似ている」といった反応が寄せられていたとされています。

 

津田健次郎さん側は、自身の声質を生成AIによって無断で模倣し、視聴者を集めるために利用していたと主張しました。

一方、投稿者側は外部サイトで、津田さん本人の音声ではなく「声真似が上手な友人の声」をAIに学習させたという趣旨の説明をしていました。

なお、裁判所が実際のAIの学習素材や生成方法まで認定したわけではありません。

 

さらに裁判の途中で、問題となっていたアカウント自体が削除されています。

そのため、津田さん側が求めていた動画の削除請求については棄却されました。

棄却とは?

すごく簡単にいうと裁判所が「その請求は認めません」と判断することです。

これだと、「津田健次郎さん側が負けたの?」と思ってしまいますよね。

ですが今回の場合、削除を求めていた動画のデータがすでになくなっていたため、TikTok側にそれ以上削除させるものがないとして、削除請求が認められなかったということです。

誤解しやすいですが、「津田さん側の主張がすべて否定されたから棄却された」という意味ではありません。

 

しかし、今回大きく注目されたのは勝敗とは別の部分でした。

裁判所は一般論として、人の声は肖像と同様に「個人の人格の象徴」であるという考え方を示したのです。

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初の司法判断「声の権利」とは何?

今回話題になっている「声の権利」ですが、実は法律にそのまま「声の権利」という名前の権利が書かれているわけではありません。

ここが少しややこしいところですよね。

今回の司法判断を理解するために知っておきたいのが、「パブリシティ権」です。

簡単にいえば、有名人の名前や顔などが持つ「人を引き付ける力」を勝手に商売へ利用されないための権利と考えるとわかりやすいですね。

たとえば、有名俳優が宣伝しているように見せかけて商品を販売すれば、その俳優が有名だったり、好きだったりする人なら、その商品に注目しますよね。

 

声優の場合は「声」そのものに大きな価値があります。

津田健次郎さんのように特徴的な声で知られる声優なら、顔を出さなくても声を聞いただけで「津田健次郎さんだ」と感じる人も少なくないでしょう。

今回の判断では、人の声について肖像と同様に「個人の人格の象徴」であると裁判所が述べています。

 

そのうえで、実演家などの声が商品の販売などを促進する顧客吸引力を持つ場合には、一定の条件のもとでパブリシティ権の保護対象になり得るという考え方が示されました。

つまり、顔や名前だけでなく、「声にも人を集める力がある」という考え方です。

今回示されたのは、声が本人の人格を象徴するものであること。

そして、著名人や実演家などの声が持つ集客力を利用した場合には、パブリシティ権侵害となる可能性があるという考え方です。

 

「声の権利」という言葉だけが独り歩きしないよう、この点はしっかり押さえておきたいですね。

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なぜ今まで「声の権利」が注目されていなかったの?

「声優という仕事は昔からあるのに、なぜ今になって声の権利が問題になったの?」

そう疑問に感じる方もいるでしょう。

大きな理由のひとつが、生成AIによって声のコピーが以前とは比べものにならないほど簡単になったことです。

 

これまでも、声優や俳優の声真似をする人はいました。

しかし、人間によるものまねには技術が必要です。

誰でも簡単に本人そっくりの声を作れるわけではありませんでした。

 

ところが、AI技術の急速な進歩によって状況は大きく変わっています。

音声データをもとに声の特徴を学習させることで、本人が実際には発言していない文章まで、それらしい声で読み上げさせることが可能になっています。

しかも、一度生成できる仕組みを作れば、大量の音声コンテンツを制作することも可能です。

声優にとって「声」は、まさに仕事道具そのもの。

本人が収録していないにもかかわらず、本人そっくりの声でナレーションや広告などが大量に作られれば、仕事やイメージに影響する可能性があります。

 

さらに深刻なのが、本人が絶対に言わないような内容まで話させることができる点でしょう。

誤解を招く発言や不適切な内容などに利用されれば、単なる「声真似」の問題では済まなくなります。

一方、日本の著作権法では、「声質そのもの」がそのまま著作物として保護されるわけではありません。

そのためAIが急速に進化するなかで、「本人そっくりの声を無断で作られた場合、どの権利で守るのか?」という問題が目立つようになりました。

 

今回の津田健次郎さんの裁判が注目されているのは、まさにこの部分です。

AI時代になったことで、これまで十分に表面化していなかった「声を勝手に利用されない利益をどう守るのか」という問題が、現実の裁判で問われる時代になったといえそうです。

関連記事:AIを親友にしてはいけない理由

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AI声真似は違法になる?判断のポイント

では、もっとも気になる「AI声真似は違法になるの?」という疑問を見ていきましょう。

結論からいうと、AI声真似だから一律に違法というわけではありません。

今回の司法判断でも、AIによって誰かの声に似せた時点で違法になるという基準は示されていません。

 

ポイントのひとつとなるのが、その人の声が持つ「顧客吸引力」を利用しているかどうかです。

顧客吸引力とは、簡単にいえば「その人だから見たい・聞きたい」と思わせる力。

たとえば「津田健次郎さんのような声だから動画を見よう」と多くの人が集まり、その知名度や声の魅力を利用して再生数や収益を得ているようなケースです。

さらに、そうした声の集客力を利用することが主な目的だったのかも重要になります。

つまり「似ているかどうか」だけでなく、「何のために利用したのか」まで関係してくるわけですね。

 

もうひとつ注意したいのが、「AIで作ったと書いておけば何をしてもOK」ではないということ。

AI音声であることを明記したとしても、著名人の声が持つ集客力を利用することが目的なら、別の問題が生じる可能性があります。

さらに、本人のイメージを大きく傷つけるような利用については、パブリシティ権とは別に人格的な利益が問題になることも考えられます。

 

ただし、今回の裁判では、問題となった音声が本当に津田健次郎さんの声をAIで模倣したものなのかについて、裁判所が最終的な認定をしたわけではありません。

そのため、「津田健次郎さんのAI音声は違法だった」と確定した裁判ではない点には注意が必要です。

 

今回示されたのは、あくまで声も条件によって法的な保護を受ける可能性があるという枠組み。

AI声真似の違法性は、利用方法や目的などを含めて個別に判断されることになりそうです。

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ものまねや声真似は?違法の線引き

今回のニュースを見て、ものまね芸人や声真似を楽しんでいる人のなかには、

「これから声真似もできなくなるの?」

と心配した方もいるかもしれません。

 

しかし、通常のものまねや声真似がすべて違法になるわけではありません。

ここは今回の司法判断と分けて考える必要があります。

重要になるのは、単純に「声が似ている」という一点だけではなく、誰の声なのか、どのように利用したのか、何を目的としていたのかなどです。

たとえば、人間が自分の技術として声真似を披露するケースと、AIを使って特定の著名人本人が話しているような音声を大量生成するケースでは事情が異なります。

 

さらに、その声を使って広告へ誘導したり、動画の再生数を稼いだりするなど、本人の知名度や声の人気を商業的に利用している場合には問題となる可能性があります。

反対に、「声が少し似ている」「趣味で声真似をした」というだけで、今回の裁判を根拠に直ちに違法と判断できるわけではありません。

 

ただし、本人と誤認させるような使い方にも注意が必要でしょう。

  • 「本人が商品をおすすめしている」
  • 「本人がこの発言をした」

と受け取られるようなAI音声であれば、声の利用だけではなく別の法的問題につながる可能性もあります。

 

つまり、「AIを使ったか、人間が声真似したか」だけで白黒を決められるほど単純ではないということです。

今回の判断から考えるうえでは、「似ているから即アウト」ではなく、声が持つ集客力を利用する目的や、本人の人格的利益を侵害する使われ方なのかを見ることが大切になります。

 

AIの性能がさらに上がれば、本物と偽物を聞き分けることも難しくなるかもしれません。

だからこそ今後は、声真似そのものだけではなく、「その声を何のために、どのように使ったのか」がより重要になっていきそうです。

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津田健次郎のAI声裁判に声優仲間も反応

津田健次郎さんのAI声裁判については、声を仕事にする声優業界からも反応が出ています。

特に注目されているのが、裁判所が人の声について肖像と同様に「個人の人格の象徴」であるという考え方を示したことです。

声優にとって声は、単なる音ではありません。

長年の演技や活動によって築き上げてきた、本人を象徴する大切なものでもあります。

緒方恵美さんは、削除請求自体が棄却されたことに触れながらも、今回示された判断を前向きに受け止める趣旨の反応をしています。

 

また、内田夕夜さんや梶裕貴さんなどからも、声や無断生成をめぐる問題について、今回の動きを評価する趣旨の声が出ています。

AIによる声の模倣は、声優だけの問題とも限りません。

俳優や歌手はもちろん、YouTuberやTikToker、VTuber、配信者など、「声そのものが本人の個性やブランドになっている人」は数多く存在します。

今後さらにAI音声が身近になれば、一般の人でも自分の声を無断でコピーされるトラブルが起きる可能性があります。

 

だからこそ今回の津田健次郎さんのAI声裁判は、声優業界だけではなく、AIを利用する私たちにも関係する出来事といえるでしょう。

ただし、今回の司法判断だけで「AI声真似は違法」と決まったわけではありません。

人の声は「個人の人格の象徴」であると示された一方で、具体的にどこから権利侵害になるのかは、今後も個別の事例や裁判を通じて整理されていくと考えられます。

 

生成AIによって「本人が話していないことを本人の声で話させる」ことまで可能になった現在。

声を誰が、どこまで利用していいのか。

今回の裁判は、そのルールを考えていくうえで重要な司法判断のひとつとなりそうです。

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