最近、スーパーや飲食店のPOP、メニューなどで見かける機会が増えた生成AIの食べ物画像。
一見すると豪華でおいしそうなのに、よく見ると「なんだか気持ち悪い」「妙に違和感がある」と感じたことはないでしょうか?
麺の不自然な並び方や均一すぎる米粒、独特な光沢など、AIならではの特徴がSNSでも話題になっています。
さらに気になるのが、身近なスーパーにも生成AI広告が広がっていること。
私の近所のスーパーでもこぞってAI広告を出し始めて、内心「なんだかなぁ……」というモヤモヤもが消えません。
なぜ私たちはAIの食べ物画像は気持ち悪く感じるのか、そしてなぜ生成AIを使った広告にウンザリするのか。「便利だけど、なんとなく寂しい」と感じる理由も含めて見ていきましょう。
AIの食べ物画像が気持ち悪いと話題に
2026年に入り、生成AIで作られた食べ物画像に対して「気持ち悪い」「食欲がなくなる」といった反応が目立つようになりました。
祇園に増えてきたAI看板キモすぎるねん
ようこんなん店の看板に使うわ pic.twitter.com/7rIuRtiP7T— スパイスマダムうにお (@unifugu_2) August 15, 2026
特に話題になっているのが、飲食店のメニューやスーパー、サービスエリアなどで使われる販促用の画像です。
実際の料理写真ではなく、画像生成AIによって作られた「料理らしい画像」が広告やPOPとして使われています。
生成AIを使えば、料理を実際に作って撮影しなくても、それらしいビジュアルを短時間で用意できます。
撮影場所やカメラマン、食材などを準備する必要もないため、お店にとって便利な部分があるのは確かでしょう。
ところが、問題になっているのがその見た目です。
たとえばご飯の米粒やゴマ、揚げ物の衣などが妙に均一だったり、麺が同じ方向に曲がっていたり。
料理なのに、どこか「作り物っぽい」印象を受けるケースがあります。
さらに、食材の表面に不自然な穴が並んだり、必要以上にツヤツヤしていたりすることも。
一瞬なら普通の料理に見えても、じっくり見ると「あれ?」と違和感を覚えるわけですね。
こうした生成AI特有の表現は、単に「AIっぽい」で済まない場合もあります。
麺が虫や寄生虫のように見えたり、穴の集合が腐敗や虫食いを連想させたりすると、食べ物にとって重要な「おいしそう」という印象が一気に崩れてしまいます。
広告として目立つことには成功しても、見た人の食欲まで削ってしまったら本末転倒。
生成AIの食べ物画像が話題になっている背景には、そんな独特の気持ち悪さがあるようです。
理由を説明できない気持ちるさって、一番気持ち悪いですもんね。
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AIの食べ物画像はなぜ違和感がある?
では、なぜAIの食べ物画像を見ると、私たちはこれほど違和感を覚えるのでしょうか?
理由のひとつとして考えられているのが、「本物に近いのに、完全には本物ではない」という微妙なズレです。
生成AIの画像は、ひと昔前と比べればかなりリアルになりました。
だからこそ、わずかな異常が余計に目立ちます。
たとえば唐揚げの衣。

画像はAIで作成
本物なら大きさや形、焦げ方などに細かなばらつきがあります。
ところが生成AIでは、似たような凹凸や粒が規則的に繰り返され、不自然な模様に見えることがあります。ゆげがしっかり映っているのも違和感を覚えるポイントですね。
麺類も同様です。

画像はAIで作成
一本一本が自然に絡んでいるように見えて、よく確認すると同じカーブが繰り返されていたり、途中で構造がおかしくなったりする場合があります。背景が無駄に多い点も特徴です。
人間は普段から食べ物を見慣れているため、こうした小さな違いを意外と敏感に察知します。
そして食べ物の場合、この違和感が「偽物っぽい」だけで終わらないところもポイントです。
食事は体の中に入れるもの。
腐っていないか、異物が入っていないか、食べても安全なのかを無意識に判断しています。
そのため、不自然な穴や奇妙な質感、虫のような形などがあると、本能的な嫌悪感につながりやすいと考えられます。
人間やロボットについて語られることが多い「不気味の谷」に近い現象が、食べ物でも起きているわけですね。
実際、2025年にはAI生成された料理画像に対する人間の反応を調べた研究も報告されています。
完全に偽物だと分かる画像よりも、「かなり本物っぽいのに、少しだけおかしい画像」のほうが不気味に感じられるという結果が示されています。
つまり、生成AIが高性能になったことで違和感が消えるとは限りません。
99%リアルだからこそ、残り1%のおかしさが強烈に気になる。
AIの食べ物画像の「気持ち悪さ」は、そんな絶妙なズレから生まれているのかもしれません。
スーパーでも生成AI広告が増えた理由
生成AIの食べ物画像は、ネット広告だけの話ではなくなっています。
スーパーなど、私たちが普段利用する身近なお店でも見かけるようになりました。
背景として大きいのは、やはり画像を作るハードルの低さでしょう。
従来、きちんとした販促用の料理写真を用意しようと思えば、料理を作って盛り付け、撮影する必要がありました。
場合によってはカメラマンやデザイナーへの依頼も必要です。
一方、生成AIなら「おいしそうな唐揚げ定食」「豪華な海鮮丼」といった指示から、短時間で画像を作れます。
専門的な撮影設備がなくてもビジュアルを用意できるのは、販促物を頻繁に作る店舗にとって大きなメリットでしょう。
価格変更やキャンペーンに合わせて広告を作り直したいときにも便利です。
こうした「安い・早い・簡単」という特徴が、スーパーなどで生成AI広告が増えている理由のひとつだと考えられます。
ただし、便利だからこそ別の問題も生まれます。
誰でも同じようなツールを使えるため、似たテイストの画像が一気に増えてしまうことです。
- 派手な光沢
- 必要以上に豪華な盛り付け
- 妙に鮮やかな色
「どこかで見たようなAI画像」が、別系列のスーパーに並ぶことも珍しくなくなるでしょう。
これは、かつて「いらすとや」が急速に普及したときに感じた「またこのイラストだ」という感覚にも少し似ています。
無料で便利なものほど、多くの人が同じものを使います。
結果として、それぞれのお店が持っていた個性よりも「AIっぽさ」が前面に出てしまう。
生成AI広告への違和感は、画像そのものの不気味さだけではなく、こうした均一化にも原因がありそうです。
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生成AI広告で失われる地元のスーパーらしさ
AIチラシ全盛の最中、イギリスでは個人経営のパブや飲食店が「我々はAIをチラシや広告作成に使わない」と宣言し、広い共感と支持を集めている。
最近の調査によると、消費者の60%以上がAIが生成した広告を使用するブランドからは買いたくないと感じており、反AIの流れが生まれているようだ。 https://t.co/c8dUnlS6iy pic.twitter.com/2Sk4rLfmZJ
— 久保山 尚 🏴の特級出羽守 (@KBYMScotland) August 25, 2026
スーパーに生成AI広告が増えることについて、もうひとつ考えたいのが「その店らしさ」です。
スーパーは単に食材を買う場所ではありません。
お気に入りのスーパーがある人なら、「この店が好き」という感覚があるのではないでしょうか。私も雰囲気を含め、お気に入りのスーパーがいくつかあります。
鮮魚コーナーに貼られた手描きの魚の調理方法。
青果担当者が書いた「今日はこれがおすすめ!」というPOP。
少しクセのある文字で書かれた惣菜の紹介。
決して洗練されたデザインではなくても、そこには「この店で働いている誰か」の存在が感じられます。
特に地域密着型のスーパーでは、こうした人間味もお店の魅力のひとつです。
生成AIでPOPを作れば作業の効率化にはつながります。
もちろん、生成AIを使うこと自体が悪いわけではありません。
問題は、効率化によって「その店ならではの魅力」まで薄くなってしまう可能性があることです。
全国どこのスーパーでも同じようなAI画像が並んでいたら、売り場から感じる個性はどうしても弱くなります。
しかも食品の場合、広告に使われている画像と実際の商品との差も気になるところ。
実物を撮影した写真なら、「この商品が買える」というイメージにつながります。
しかし生成AI画像は、そもそも実在しない料理を描いている可能性があります。
広告としては華やかでも、消費者からすると「実際の商品はどうなの?」という疑問が残るでしょう。
生成AIが当たり前になる時代だからこそ、逆に価値が高まりそうなのが人間の手が見える表現です。
- 上手ではなくても手描きのPOP。
- 実際に売り場で撮った料理写真。
- 担当者が自分の言葉で書いたおすすめコメント。
そうした少し不揃いなもののほうが、「このスーパーの人が作った」という安心感につながることがあります。
お祭りのチラシの絵が生成AIになっていてがっかりしたという声もあります。
効率化できる部分はAIに任せながら、言葉や地域性などは人間が残していく。
そんな使い分けが、生成AI時代には求められるのではないでしょうか。


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