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「セコマのかつ丼は値上げするのに…」なぜ大手は“減量”を選ぶのか

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物価高が続くなか、お菓子や加工食品を買って「前より少なくなった?」と感じたこってありますよね。

価格を大きく変えず、内容量を減らす、いわゆる「ステルス値上げ」はたびたび話題になります。

一方で、北海道を中心に展開するセイコーマートでは、かつ丼の値段を上げても味とボリュームを守り続け全商品中の売上高1位をキープしているといいます。

「値段が上がってもいいから量は減らさないでほしい」という消費者もいるのに、なぜ大手メーカーは“減量”を選ぶのでしょうか?

そこには、スーパーの売り場ならではの事情や、商品ごとのブランド力、消費者の価格への反応などが関係しているようです。

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セコマはなぜ減量より値上げを選べる?

セイコーマート、通称「セコマ」は、北海道のご当地コンビニチェーンです。

とくに店内調理の「ホットシェフ」は人気が高く、カツ丼などを目当てに利用する人も少なくありません。私も絶対にかつ丼を買っています。

こうした商品で重要なのが、「その商品を買う理由」が価格だけではないことです。

たとえばカツ丼なら、ボリュームや味、できたて感なども商品価値の一部。

仮に量を減らしてしまえば、「いつものカツ丼じゃない」と感じる人が出てくる可能性があります。

つまり、価格を守るために商品の満足感を削ることが、必ずしも得策とは限らないわけですね。

さらにセコマは地域密着型のチェーンで、北海道では長年にわたって独自の商品やサービスを展開してきました。

そのため、単純に「コンビニ弁当の価格」だけで比較されない商品を作りやすい土台があります。

 

「セコマだから買う」「ホットシェフだから食べたい」という理由があれば、多少の価格改定があっても、すぐ競合商品へ移るとは限りません。

ここが、全国のスーパーで競合商品と横並びにされる大手メーカーとの大きな違いです。

もちろん、セコマなら何でも自由に値上げできるという意味ではありません。

値上げ幅が大きくなれば、消費者の負担感も増します。

ただ、価格以外にも選ばれる理由が強い商品ほど、「量を減らす」以外の選択肢を取りやすくなると考えられます。

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大手が値上げより減量を選ぶ理由

では、なぜ全国展開する大手メーカーは価格を上げるより、内容量を調整することが多いのでしょうか?最近でもシャウエッセンが減量を発表し大きな話題になっていますよね。

大きな理由のひとつが、消費者が「値札」に敏感だからです。

たとえば、いつも398円だった商品が498円になれば、売り場で見た瞬間に「100円も高くなった」と分かります。

一方、398円のまま内容量が少なくなった場合、パッケージを細かく確認しなければ変化に気づかないケースもあるでしょう。

 

企業側からすると、値札を大きく変えないことで「いつもの価格帯」に商品を残せるメリットがあります。

とくに全国ブランドの場合、スーパー、ドラッグストア、ディスカウントストアなど、さまざまな場所で競合商品と比較されます。

少し価格が上がっただけでも、購入候補から外れる可能性があるわけです。

 

さらに、小売店側が設定する特売価格との関係もあります。

「300円台なら買う」「500円を超えるならやめておこう」といった心理的な価格の境目は、購入判断に影響します。

メーカーとしては、その境目を越える値上げを避けたい事情もあるでしょう。

もちろん、消費者側から見れば「分かりにくいステルス値上げより、堂々と値上げしてほしい」と感じることもあります。

しかし企業側は、ネット上の反応だけでなく、実際に売り場で商品が選ばれるかどうかも考えなければなりません。

反感を買う可能性があっても、販売数量への影響を抑えるため、価格ではなく容量を調整する。

一見不思議に見える“減量”には、そんな売り場での厳しい競争が関係していると考えられます。

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スーパーの棚で起きる価格帯の壁とは

スーパーの商品を考えるうえで見逃せないのが、「価格帯の壁」です。

たとえばソーセージ売り場を想像すると分かりやすいでしょう。

低価格の商品、定番ブランドの商品、少し高級な商品など、複数の商品が同じ棚に並んでいます。

ここで中価格帯の商品が大幅に値上げすると、消費者の比較対象そのものが変わる可能性があります。

たとえば398円の商品が498円になり、そのすぐ近くに550円のプレミアム商品があったとします。

すると「ここまで払うなら、あと少し出して高級な方を買おうかな?」という選択肢が生まれます。

反対に「500円近く払うのは高い」と感じた人は、300円台のプライベートブランドへ移るかもしれません。

つまり、中価格帯の商品は値上げによって上下両方から競争にさらされる可能性があるのです。

これは大手メーカーにとって悩ましいところでしょう。

 

商品の価格は単に「原価+利益」だけで決まるわけではなく、売り場のどこに位置するかも重要になるからです。

価格を据え置いて内容量を調整すれば、少なくとも値札上はこれまでと同じ価格帯に残りやすくなります。

消費者としては納得しづらい部分もありますが、企業側から見ると「競争する相手を変えない」という意味を持つわけですね。

特に、似た商品が何種類も並ぶ食品カテゴリーほど、この価格帯の壁は無視しにくいポイントになります。

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値上げすると競合に流れるのはなぜか?

値上げによる怖さは、「高いと思われること」だけではありません。

それまで比較されていなかった商品まで、購入候補に入ってくることです。

たとえば定番ソーセージを毎週買っている人でも、値段が大きく変われば、一度立ち止まって他の商品を見るかもしれません。

  • 「こっちの方が安い」
  • 「あと50円出せば高級タイプが買える」

そんな比較が始まります。

 

企業にとって厄介なのは、一度乗り換えた消費者が必ず戻ってくるとは限らないことです。

試しに買った競合商品がおいしければ、そのまま新しい定番になる可能性もあります。

特にプライベートブランドの品質が上がっているカテゴリーでは、価格差が乗り換えのきっかけになりやすいでしょう。

 

だからこそ、大手メーカーにとって「いつもの価格」は非常に重要です。

内容量を減らすことへの批判がネット上で起きたとしても、実際の店頭で競合商品へ乗り換えられるリスクとの比較になります。

また、消費者全員が商品の内容量を毎回チェックしているわけではありません。

値段は大きく表示されますが、「何グラム入っているか」まで過去の商品と比較して購入する人は限られます。

この価格と容量に対する認識の違いも、企業が減量を選ぶ背景のひとつと考えられます。

 

ただし、減量を繰り返せば「また小さくなった」という不満につながります。

短期的には販売数量を守れても、長期的にはブランドへの信頼を損なうリスクがあるため、企業にとっても簡単な選択ではありません。

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値上げしても売れる商品の共通点

では、内容量を維持したまま値上げしやすい商品には、どんな特徴があるのでしょうか。

ポイントになるのは、「安さ以外の理由で選ばれているか」です。

まず強いのが、根強いファンを持つ商品。

  • 「この味じゃないとダメ」
  • 「多少高くてもこれを買う」

という人が多ければ、価格が上がっても競合への乗り換えを抑えやすくなります。

 

次に、他の商品では代替しにくい独自性です。

味、製法、原材料、食感、ブランドの世界観など、消費者がはっきり違いを感じられる商品ほど価格競争から抜け出しやすくなります。

もともとプレミアム価格で販売されている商品も比較的値上げしやすいでしょう。

そもそも購入者が「最安値」を最優先していないためです。

 

さらに重要なのがマーケティング。

ただ「値上げします」と伝えるのではなく、原材料や物流費などの上昇を説明し、品質や容量を維持するための価格改定だと理解してもらえるかどうか。

同じ100円の値上げでも、「高くなっただけ」と思われるのか、「この品質を守るなら仕方ない」と受け止められるのかでは大きく違います。

 

そして意外に重要なのが、量そのものが商品の価値になっているケースです。

弁当や総菜などは、量を減らせば一食としての満足感まで変わってしまいます。

こうした商品では、価格を守るために量を削るより、値上げして満足感を維持する方がブランドに合う場合があります。

つまり、値上げに強い商品とは「高くても買う理由」を持っている商品だと言えそうです。

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減量を選びやすい商品の特徴とは

反対に、値上げが難しく、内容量の調整を選びやすいのはどんな商品でしょうか。

代表的なのが、似た競合商品が多い中価格帯の商品です。

ソーセージ、お菓子、即席食品、調味料など、スーパーの棚に何種類も並ぶ商品をイメージすると分かりやすいですね。

こうしたカテゴリーでは、ブランドへのこだわりがそれほど強くない消費者もいます。

価格が上がれば「じゃあ今日はこっちにしよう」と簡単に別の商品へ移れるため、メーカーは値上げに慎重になります。

 

また、購入頻度の高い日用品も価格変化を意識されやすい商品です。

一回の値上げは数十円でも、毎週購入するとなれば家計への影響を感じやすくなります。

さらに、内容量を多少減らしても使用方法が大きく変わらない商品では、容量調整が選択肢になりやすいでしょう。

ただし、この方法にも限界があります。

減量を続ければ、ある時点で消費者が「さすがに少ない」と感じるからです。

 

SNSが普及した現在では、容量変更もすぐ話題になりやすく、企業側も以前ほど“気づかれない値上げ”を期待できないでしょう。

だからこそ今後は、単純な値上げか減量かだけではなく、「なぜ変更するのか」をどう伝えるかも重要になりそうです。

セコマのように商品の満足感を守る方向を選ぶのか、それとも価格帯を守るために容量を調整するのか。

同じ物価高への対応でも、企業や商品の立ち位置によって答えは変わります。

スーパーで商品の値段と内容量を見比べてみると、企業が「何を守ろうとしているのか」が見えてくるかもしれませんね。

この記事を書いた人
アザラシ

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