北海道京極町の農業法人で働いていた特定技能のミャンマー人労働者が、暴行や暴言などの被害を訴えている問題が注目されています。
報道では、農業法人を実質的に取り仕切っているとされる人物の一人について「現職の町議」と伝えられており、「町議は誰なんだ」「どういった農業法人なのか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、京極町で浮上したミャンマー人虐待疑惑の経緯を整理するとともに、京極町議会の公開情報などをもとに町議・渡邊昭氏の経歴や農業法人について調査しました。
京極町ミャンマー人虐待疑惑とは?
「どうして叩いた」京極町の農業法人でミャンマー人労働者が虐待被害を訴え 暴行停止や謝罪求め団体交渉 #京極町 #ミャンマー人 #北海道 #HTB北海道ニュース https://t.co/l9ZPE2MYn0
— HTB北海道ニュース (@HTB_news) September 9, 2026
今回の問題が大きく注目されたのは、北海道京極町にある農業法人で働いていたミャンマー人の特定技能労働者が、法人関係者から暴行や暴言などを受けたと訴えたことがきっかけです。
HTB北海道ニュースによると、2026年8月21日の報道では、ミャンマー人の男女6人が会見を開き、農業法人の複数の関係者から日常的な暴行などを受けていたと訴えました。
参考:HTB北海道ニュース「“パニック状態だった” 特定技能労働のミャンマー人 京極町の農業法人関係者から暴行を受けたとして告訴へ」
公開された映像や音声には、労働者の上着をつかんで外へ連れ出す様子のほか、「休みなく働け」「誰がご主人様だ」といった趣旨の発言も記録されていたと報じられています。
さらに、「在留カードを取り消す」という趣旨の発言もあったとされており、日本で働き始めた外国人労働者にとっては、大きな不安を感じる状況だったことがうかがえます。
その後、ミャンマー人男性の一人が、暴行によりケガをしたことから、2026年8月24日に法人関係者2人を暴行と傷害の疑いで刑事告訴しました
別の男性についても、2026年6月から7月にかけて暴行を受けたとして、法人関係者2人を刑事告訴する方針が明らかになっています。
また、問題は暴行疑惑だけではありません。
札幌地域労働組合には賃金未払いなどの相談も寄せられているほか、労働者が生活していた寮について、キッチンにネズミが出るなど劣悪な環境だったとも報じられています。女性にかんしてはセクハラを受けたとの訴えもあります。
農業法人側はHTBの取材に対し、暴行について「調査・精査中」としています。
今後の捜査や法人側の説明によって、新たな事実が明らかになる可能性もありそうです。
参考:HTB北海道ニュース「【劣悪】寮にネズミ 金属棒で殴打も…特定技能のミャンマー人男性が暴行被害訴え会見 町議らを刑事告訴へ」
疑惑の町議・渡邊昭氏の経歴やプロフィール
京極町議会。
まもなく本会議が開会。渦中の町議は欠席。 pic.twitter.com/ayKXMnwDzz— 小笠原 淳 (@ogasawarajun) September 3, 2026
今回の京極町ミャンマー人虐待疑惑では、報道で「現職の町議」が関係者の一人として伝えられていることから、その人物について関心が集まっています。
京極町の公式サイトを確認すると、現在の町議会議員の中に「渡邊昭(わたなべ あきら)」氏の名前があります。
渡邊昭氏は京極町議会の総務常任委員会に所属する現職議員で、現在の議員任期は2027年4月30日までとなっています。
ただし、今回確認できた主要報道では、問題となっている町議の実名は掲載されていません。
そのため、ネット上で名前が取り沙汰されていたとしても、公開情報だけを組み合わせて「報道されている町議=渡邊昭氏」と断定することは現時点では慎重さが必要です。
HTBは、ミャンマー人労働者を保護している札幌地域労組の見方として、京極町の町議とその息子が農業法人を実質的に取り仕切っていると報じています。
さらに8月31日の報道では、刑事告訴された父親について京極町の現職町議だと伝えていますが、記事本文では実名を明らかにしていません。
なお、町議の渡邊昭氏は8月28日の常任委員会を「一身上の都合」で欠席。
9月3日に開かれた議会でも欠席しており、議会内から説明責任を求める声が出ています。
参考:HTB北海道ニュース「北海道京極町の農業法人のミャンマー人虐待疑惑 渦中の町議は議会を欠席 説明責任を問う声も」
京極町の佐古岡秀徳町長も、この問題について町に100件を超える厳しい意見や批判が寄せられていると議会で説明しました。
京極町といえば、羊蹄山のふもとに位置する自然豊かな町というイメージを持っている人も多いでしょう。
その小さな町で現職町議の関与が報じられたこともあり、問題への関心が一気に高まったと考えられます。
ただし、現時点では刑事告訴されたのみで犯罪行為が確定したという訳ではありません。
今後、本人や法人側からどのような説明が行われるのか、そして捜査によってどのような事実が確認されるのかを見ていく必要があります。
参考:逮捕・書類送検・起訴の違いとは?身柄を拘束されているのは?
虐待疑惑の渡邊昭氏が経営する農業法人はどこ?
今回の問題でもう一つ気になるのが、「農業法人はどこなのか?」という点ではないでしょうか。
しかし、2026年9月9日時点で確認できた主要報道では、ミャンマー人労働者が被害を訴えている農業法人について、具体的な法人名は明記されていません。
そのため、SNSなどで特定の法人名が挙がっていても、裏付けが取れていない段階で断定するのは避けたほうがよいでしょう。
一方で、農業法人をめぐっては気になる経緯も報じられています。
HTBによると、現在問題となっている農業法人と同じ住所には、名前が似た別会社が存在するとされています。
その別会社では以前、外国人技能実習生を受け入れていましたが、2022年3月に「技能実習生の人権を著しく侵害する行為」を理由として、国から技能実習計画の認定を取り消す行政処分を受けたと報じられました。
参考:HTB北海道ニュース「【追跡】「ご主人様は誰だ?」農業法人で外国人に日常的暴行か 渦中の町議を直撃 北海道京極町」
さらにHTBは、今回刑事告訴された町議個人も同じ処分を受けていたと報道しています。
そして注目されているのが、その後の動きです。
報道によると、行政処分からわずか47日後、同じ住所に今回ミャンマー人労働者が被害を訴えている農業法人が新たに設立されたとされています。
その法人では外国人労働者の受け入れが再開されましたが、名義上の代表者には勤務実態がなく、札幌地域労組は町議とその息子たちが実質的に法人を取り仕切っているとみています。
過去に行政処分を受けた会社と、現在問題になっている法人にどのような関係があるのか。もし、同じ人物が法人を取り仕切っていたのであれば、悪質性が際立ちます。
ここは今回の京極町ミャンマー人虐待疑惑を理解するうえで、重要なポイントになりそうです。
ただし、現時点では農業法人側も暴行について「調査・精査中」と回答しており、すべての事実関係が確定しているわけではありません。
法人名や経営実態についても、報道や公的機関から新しい情報が出る可能性があります。


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