ニュースを見ていると、「逮捕された」「書類送検された」「起訴された」という言葉をよく耳にしますよね。
でも、「書類送検って逮捕と一緒じゃないの?」「逮捕されたら起訴されるの?」など、実は意味がよく分からない人も多いのではないでしょうか?
ここでは、警察・検察・裁判所がどのように関わるのかを順番に見ながら、3つの言葉の違いを簡単に紹介します。違いが分かると、ニュースが分かりやすくなりますよ!
逮捕・書類送検・起訴の基本的な違い
まず、3つの言葉を簡単に説明すると、逮捕は人の身柄を拘束すること、書類送検は警察が事件の書類などを検察に送ること、起訴は検察官が裁判を求めることです。
表にまとめるとこんな感じです。
| 項目 | 誰がする? | やること | 拘束の有無 | 目的 |
| 逮捕 | 警察(主に) | 人を捕まえて拘束すること | あり | 逃げたり、証拠隠滅したりしないため |
| 書類送検 | 警察 | 事件の書類を検察に送ること | なし | 警察から検察に引き継ぐため |
| 起訴 | 検察 | 裁判にかけようと決めること | 場合による | 裁判所で正式に裁くため |
同じ「事件に関する手続き」でも、誰が何をするのかが違います。
逮捕は、警察が必要と判断した場合に、その人の身柄を拘束することです。
一方の書類送検は、逮捕する必要がない場合などに、警察が捜査した内容を検察官へ送ることを指します。
そして、検察官が事件の内容や証拠などを確認し、裁判にかけると判断するのが起訴です。
大まかな流れ
つまり、大まかには、
警察が捜査する → 逮捕または身柄を拘束せずに捜査する → 検察に事件を送る → 検察が起訴するか判断する
という流れになります。
ここで大切なのは、逮捕された時点で有罪と決まったわけではないということです。
書類送検された場合も同じで、送検されたことと有罪になることは別の話です。
最終的に有罪か無罪かを判断するのは裁判所になります。
次から、それぞれの言葉の意味をつらに詳しく解説します。
逮捕とは警察などが容疑者の身柄を拘束すること
「逮捕」とは、犯罪の疑いがある人について、警察などが本人の自由を制限して身柄を拘束することです。
ニュースで「○○容疑者が逮捕されました」と報道されることがありますよね。
この場合、その人は自分の判断で自由に帰宅できる状態ではなくなります。
では、なぜわざわざ人を捕まえるのでしょうか?
主な理由の一つが、逃げてしまうことや証拠を隠したりすることを防ぐためです。
たとえば、事件について詳しく調べる必要があるのに、その人が逃げてしまったら捜査が難しくなります。
証拠を隠したり、関係者に働きかけたりする可能性も考えなければなりません。
そのため、法律で決められた条件のもとで、身柄を拘束して捜査する場合があります。
ただし、逮捕された=犯人と決まった、という意味ではありません。
あくまで、その時点では「犯罪をした疑いがある人」として捜査を受けている段階です。
その後、警察から検察へ事件が送られ、検察官がさらに判断することになります。
また、すべての事件で逮捕されるわけではありません。
逮捕せずに捜査を進め、必要な書類などを検察へ送るケースもあります。
この違いを知っておくと、ニュースで「逮捕」という言葉が出てきたときも、まだ裁判で有罪が決まったわけではないと理解できます。
関連記事:容疑者・被疑者・犯人の違いって?実際に犯罪をした人は?
書類送検とは警察が捜査した内容を検察に送ること
「書類送検」とは、警察が捜査した事件について、関係する書類や証拠などを検察官へ送ることです。
ポイントは、本人を逮捕して身柄を拘束したまま送るのではなく、身柄を拘束せずに捜査を進めるケースがあるということです。
例えば、逃亡の可能性が少なかったり、証拠を隠したりしなさそうなときです。なお、身柄を拘束されない事件を「在宅事件」といいます。芸能人の不祥事で多いイメージですね。
流れとしては、警察が事件について調べ、関係者から話を聞いたり証拠を集めたりします。そして、捜査した内容をまとめて検察官に送ります。その後、検察官が事件の内容を確認し、起訴するかどうかを判断します。
そのため、書類送検されたからといって、必ず裁判になるわけではありません。検察官が「裁判にかけない」と判断すれば、不起訴になることもあります。
また、「書類送検」という言葉はニュースなどでよく使われるマスコミ用語です。法律上の正式な手続きの名称としては「検察官送致」といいます。
覚え方としては、
逮捕=人の身柄を拘束する
書類送検=事件の内容を検察へ送る
と考えると簡単です。
そして、その先で検察官が「裁判にするかどうか」を判断します。
起訴とは検察が裁判所に裁判を求めること
「起訴」とは、検察官が事件について、裁判を開いて判断してもらおうと裁判所に求めることです。
ここまで来ると、事件の流れが少し分かりやすくなります。
警察が事件を捜査し、その内容を検察へ送ります。
検察官は送られてきた資料を確認したり、必要に応じて捜査したりします。
そして、「裁判で判断してもらう必要がある」と判断した場合に起訴します。
一方、裁判にかけないと判断することを不起訴といいます。「書類送検されたものの不起訴処分となりました。」といった内容を耳にしますよね。
ここでも注意したいのが、起訴されたからといって、その人がすぐに有罪になるわけではないことです。
起訴された後に裁判が行われ、最終的に有罪か無罪かが判断されます。
最後に、逮捕・書類送検・起訴は、どれも「有罪が決まった」という意味ではありません。
ニュースを見るときは、3つを同じ意味として考えず、「今、事件がどの段階まで進んでいるのか?」に注目すると理解しやすくなりますね。


コメント