1日30分程度の睡眠で活動していると話題の堀大輔氏や、「0~3時間睡眠が常態化」とXに投稿した高市首相など、最近何かと話題の「ショートスリーパー」。
「本当に寝てないの?」「いやいや、寝た方がよいのでは?」と、思っている人も多いでょう。
実は、遺伝的に睡眠時間が短くても問題なく活動できる真のショートスリーパー「自然短時間睡眠者」は存在します。
一方で、短時間睡眠を実践している人のすべてが、遺伝的なショートスリーパーとは限らず、健康的ともいいきれません。
では、一般的に「自分はショートスリーパーだ」と発言する人は、実際にはどのような睡眠を取っているのと考えられるでしょうか?
今回は、遺伝子的特徴の他に、分割睡眠やマイクロスリープという視点から、本物のショートスリーパーと自称ショートスリーパーの違いを考えていきます。
ショートスリーパーは実在する?本物は遺伝子から違う!
「ショートスリーパーは本当に存在するの?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
結論からいうと、短い睡眠時間で問題なく生活できる人は実在します。
睡眠研究では、こうした人たちを「自然短時間睡眠者」などと呼んでいます。
一般的な人が睡眠時間を削ると、日中に眠気が出たり、集中力が低下したりすることが多いでしょう。
ところが自然短時間睡眠者の場合、比較的短い睡眠時間(4~6時間程度)でも、強い眠気などを感じずに日常生活を送れるケースが報告されています。
自然短時間睡眠については、DEC2(BHLHE41)やADRB1、NPSR1などの遺伝子との関連が研究されています。
特定の遺伝子変異を持つ家族などを調べることで、短い睡眠時間でも活動できる仕組みが少しずつ明らかになってきました。(家族性自然短眠)
参考:現代ビジネス「【睡眠の謎】ショートスリーパーから多く眠る人まで、「睡眠時間」はどのように決まっているのか」
遺伝子変異であり努力ではない
つまり、本物のショートスリーパーには「努力して睡眠時間を削った人」とは異なる、生まれつきの特徴を持つケースがあるわけです。
しかも興味深いのは、こうした自然短時間睡眠の傾向が、幼少期から続いているケースが報告されている点です。
大人になってから突然「3時間睡眠でも平気になった」という話とは、意味合いがかなり違います。
【参考】
参考動画のように、世界を見渡せば、本当に睡眠をほとんどとらなくても問題のない人は存在するようです。
おすすめ記事:【脱スマホ依存】寝る前のだらだらスマホ、この方法でやめました!
自称ショートスリーパーは分割睡眠×マイクロスリープではないか?
本物が遺伝的に短時間睡眠でも問題ない一方、自称ショートスリーパーの多くは、分割睡眠×マイクロスリーで寝不足を乗り切っているのではないでしょうか?
それぞれ、どのような睡眠方法なのか紹介します。
分割睡眠とは睡眠を1回にまとめず複数回に分けて取る方法
分割睡眠とは、睡眠を1回にまとめず、複数回に分けて取る睡眠パターンのことです。
「多相睡眠」と呼ばれることもあります。
たとえば、夜にまとめて6〜8時間眠るのではなく、夜間に3数時間眠ったうえで、日中にも15分~30分の短い仮眠を数回取るといった形があります。
分割睡眠には、1日2回に分ける「バイフェーズ睡眠」や、さらに複数回に分ける「ポリフェーズ睡眠」などがあります。
重要なのは、分割睡眠=睡眠時間を短くすることではないという点です。
睡眠を分けても、1日の合計睡眠時間は十分に確保します。
この方法は過酷な環境で任務を行う人の他に、著名人が採用しているケースもあります。
参考:クーリエ・ジャポン「仕事のパフォーマンスを上げたければ「多相睡眠」に切り替えなさい」
マイクロスリープとはごく短い時間だけ無意識に眠ってしまう現象
マイクロスリープとは、強い眠気によって、ごく短い時間だけ無意識に眠ってしまう現象のことです。
数秒程度から、場合によっては十数秒ほど意識が途切れることがあり、本人が「寝ていた」と自覚していないケースもあります。
たとえば、仕事中に一瞬だけ意識が飛んだり、読書中に数秒間記憶が抜けたり、電車の中で気づかないうちにウトウトしたりする状態が代表的です。
見た目には目を開けているように見えても、脳が一時的に睡眠状態に入っている場合もあります。
特に、睡眠不足や長時間の単調な作業、強い眠気などによって起こりやすいとされています。
ここで注意したいのは、マイクロスリープを「短時間で効率よく休む方法」ではない点です。
マイクロスリープは基本的に自分の意思で自由にコントロールするものではなく、眠気が強くなったときに無意識に起こる現象です。
そのため、頻繁にマイクロスリープが起きている場合は、「短眠に成功している」と考えるよりも、睡眠不足になっていないかを確認することが大切です。
特に運転中や機械の操作中に起こると、一瞬の意識の途切れが重大な事故につながる可能性があります。
堀大輔氏は後天的な訓練でショートスリーパーになれると説明
堀大輔氏も、短時間睡眠について考える際に「パワーナップ(短い仮眠)」を有効に活用するという考えを取り入れています。
さらに、堀氏が説明する短眠の考え方では、日中の眠気をどう扱うのかも重要なポイントになります。
ただし、ここで注意したいのが「マイクロスリープ」です。
上述したとおり、マイクロスリープとは、強い眠気などによって本人が意識しないほど短い時間だけ睡眠状態に入る現象を指します。
「一瞬ウトウトしただけだから、寝ていない」と本人は感じていても、実際には短時間の睡眠が発生していることがあります。
ただし、マイクロスリープは、短眠を実現するために意図的に起こす「便利な睡眠」と同じ意味ではありません。
一般的には、睡眠不足や強い眠気によって起こる現象として知られています。
そのため、「マイクロスリープが起きているから、短時間睡眠でも大丈夫」と判断するのは危険です。
むしろ、頻繁に意識が飛ぶような状態なら、身体が睡眠を必要としているサインとも考えられます。
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一般的な人がショートスリーパーを目指すリスク
「自分もショートスリーパーになれたら自由時間が増えるのに!」と考える人は少なくないでしょう。
睡眠時間を減らせれば、その分だけ仕事や勉強、趣味などに使える時間が増えます。
しかし、ここで注意したいのが、「睡眠時間を減らすこと」と「自然短時間睡眠者になること」は別だという点です。
自然短時間睡眠者は、もともと短い睡眠で生活できる特徴を持っています。
一方、一般的な人が睡眠時間を無理に削れば、身体や脳が必要としている睡眠量を下回ってしまう可能性があります。
最初は「意外と平気かも」と感じるかもしれません。
ところが、睡眠不足が続くことで日中の眠気や注意力、判断力などに影響する可能性があります。
さらに怖いのが、本人が睡眠不足に気づきにくくなるケースです。
「3時間睡眠を続けていたら慣れてきた」と感じても、本当に十分な睡眠を取れているとは限りません。
特に注意したいのが、マイクロスリープです。
たとえば、仕事中に一瞬意識が飛ぶ、読書をしていて数秒間記憶が抜ける、電車で気づかないうちに眠っている。
こうした状態が頻繁に起きているなら、単純に「短眠に成功した」と考えるのは危険です。
ましてや、自動車の運転中や危険な機械を扱っているときのマイクロスリープは、重大な事故につながる可能性があります。
「眠気を感じなくなったから大丈夫」と自己判断するのも避けたいところです。
堀氏のメソッドも「寝る時間を減らせばいい」というものではない
付け加えると、堀大輔氏が提唱する短眠の考えは、単純「寝る時間を減らせばいい」というものではなく、入眠・起床・途中覚醒・日中の眠気などを観察しながら調整していくという考え方が示されています。
ただし、これはあくまで堀氏独自のメソッドとして捉える必要があります。
自然短時間睡眠者について科学的に研究されている内容と、後天的なトレーニングによって短眠を目指す方法は、同じものではありません。
だからこそ、「ショートスリーパーになりたい」という理由だけで、いきなり自己流で睡眠時間を大幅に削るのはおすすめできません。
特に、睡眠時間を減らすこと自体を成功の基準にしないことが大切です。
本当に重要なのは、十分な睡眠を確保したうえで、日中に健康的に活動できる状態を維持すること。
「短く寝られる人」と「短く寝なければならない人」は、字面が似ていても中身は大きく違います。
ショートスリーパーについて考えるなら、睡眠時間の数字だけを見るのではなく、遺伝的な自然短眠なのか、分割睡眠なのか、あるいは睡眠不足なのかという違いまで考える必要があるでしょう。
効率の良い睡眠方法を理解することは、災害時のような極限状態での休息に役立つ面はあります。しかし、平時であれば無理に睡眠時間を削るよりも、自分に必要な睡眠時間を確保する方が、結果的に気分も効率もよく、何事も進められるのではないでしょうか。


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