“写経”と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
お寺?お坊さん?それとも修行でしょうか??
実は、“写経”が20~30代女性の間で密かなブームとなっていることはご存知でしょうか?
「忙しい日常から離れることができる」
「精神が安定してリラックスできる」
こんな理由からブームになっているそう。
ということで、私ハトムギ(@hatomugi_bikatu)も流行の写経を早速試してみました!
この記事では、写経で実感したリラックス効果や写経の始め方をまとめていきます。
✓写経ってどんな効果があるの?
✓そもそも写経ってナニ?
✓写経試してみたいけどお金かかりそうだし、時間がない!
こんな疑問にお答えする内容となっています。
写経の魅力と楽しさをご紹介します
では、写経の魅力とはいったいなんなのか?
1つ1つご紹介していきます。
静かな時間に心が落ち着く
筆ペンを使って静かにお手本を書き写していく。
たったこれだけのことですが、とても心が落ち着いて静かな時間を過ごすことが出来ます。
無心でお手本にそってお経を写していく。
写経は「書く瞑想」とも言われているくらい、心を落ち着ける効果が高いです。
ふだんの生活で“字を書く”ことはあっても、“集中して、心をこめて字を書く”ことってなかなかないですよね?
見慣れた漢字も筆ペンだと、なかなか上手に書けません。
「綺麗に漢字を写していこう」と丁寧に文字と向き合うことで、“書くこと”だけに集中した、忙しさを忘れられる時間を作ってくれます。
1文字1文字丁寧に書いて集中力アップ
1文字1文字、丁寧に写経することは集中力アップにも繫がります。
写経では、ふだん使わない漢字もたくさん出てきます。
「お手本を書き写すだけ」といっても、集中しないと間違えてしまいます。
また、字を綺麗に書こうとすると姿勢も正しいものになってきます。
猫背や前かがみの姿勢だと、どうしても綺麗な字って書けないんですよね。
姿勢が正しくなると腹に力が入るので、呼吸も深いものに変わってきます。
呼吸が整うことで集中力もアップします。
お手本を綺麗にうつしていくだけ。
たったこれだけのことです1文字1文字間違えないように集中する。
さらに、文字を綺麗に書こうとするため、姿勢や呼吸にも意識がとどく。
結果、集中力のアップにも繫がりました。
修行として、“写経”が行われていたのにも納得です。
書き終わったら願い事がかける
ずいぶんと俗(ぞく)っぽい理由ですが…(笑)
写経は、全て写し終わると「願旨(がんし)」といって“願い事”を書くことができます。
(ここでは「右為」の下の「心願成就」が願旨です。)
現在では、“リラックス”や“心身統一”のためにされることが多い写経ですが、元々の目的は「信仰・祈願・供養」のためでした。
このため、写経が終わると、最後のほうに“願い事”や“お祈り”を書きます。
「集中して写経を頑張ったら、最後に願い事が書ける!」
これが、「ご褒美」のようでなんだか嬉しくて、どんどん写経にハマっていきました(笑)
また、「願旨(がんし)」の書き方は“話し言葉”のように書くのではなく、“祈願文”という形で書くことが多いです。
「願旨(がんし)」の書き方には一定のパターンがあるので、代表的なものをまとめてみました。
写経をはじめる時に、参考にしてみて下さいね。
〈代表的な願旨と意味〉
「家内安全」:家族がみな、安全・健康でありますように
「心願成就」:心からの願いが叶いますように
「学業成就」:試験合格など、勉学の目標が叶いますように
「身心健全」:心も体も健康でありますように
「世界平和」:世界が平和でありますように
「病気平癒」:病気が治り、回復しますように
「子宝成就」:こどもに恵まれますように
「安産祈願」:母子ともに健やかな出産でありますように
願旨には、上記のような“願い事”だけでなく、“お祈り”を書くことも出来ますよ。
筆ペンで美文字トレーニング
写経は“筆”や“筆ペン”を使って書いていきます。
筆ペンって使い慣れてないと本当に難しいんですよね。
それでいて、冠婚葬祭、重要な場面で使うことが多いのもこまったものです。
実は、私が写経を初めた理由は
「筆ペンで綺麗な文字が書けるようになりたい!」
というものでした。
普段は事務の仕事をしているので、ご祝儀や香典など大事な場面で、筆ペンで字を書くことが案外おおいです。
使い慣れない筆ペンで字を書くたび「もっと綺麗に字がかければいいのになぁ…」と、残念な気持ちになっていました。
写経は楽しみながら筆ペン使いをマスター出来る。
しかも、リフレッシュ&リラックス効果もあるので、実用的な趣味にぴったりですね。
筆で字を書くのに自信がないなら、ぜひ写経をはじめてみてください。
大人のたしなみ“筆ペン美文字”トレーニングにも最適ですよ。
巻数を追うごとに字が上達する達成感
説得力のない画像であれですが…
写経は日々の修行を記録するために、巻数(かんすう)を記録します。
最初に書いたものは「第一巻」
次に書いたものは「第二巻」
以降は「第三巻」「第四巻」「第五巻」……
と続いていきます。
書いたものを取っておくので、「写経を初めたころ」と、「今」でどれだけ字が上達したか、成長を確認することが出来ます。
「最初より字が綺麗!」
「書くスピードも上がってきた!」
と、ちょっとしたことですが、自分の成長が目で見て実感できるのも、写経の魅力であり楽しみです。
納経すれば御朱印がもらえる
書き終わった写経はお寺に納経することで、御朱印がもらえます。
御朱印についてはよく解っていなかったのですが、写経や読経をすることで授与してもらえるものなんですね。
この御朱印、一部のお寺では、自宅で写経した用紙を納経しても、もらうことが出来ます。
納経できるお寺が近くにある場合は、直接納めに行くことも出来ます。
また、郵送でも収めることが出来ますので、気になる場合はお近くのお寺に問い合わせてみるのがいいですね。
「お寺がありすぎてどこに納経していいかわからない!」というあなたには、『心を調える般若心経はじめての写経 新訂[本/雑誌] / 小峰彌彦/監修 』の写経セットをおすすめします。
これは私の買った写経セットなのですが、郵送での納経を受け付けており、方法も乗っています。
「どこのお寺に納経されるか」
「御朱印の見本」
「住所」
「納経料」
…と詳細に記されていましたので、写経も御朱印も興味がある方はこちらで写経をはじめてみるのがいいかもしれませんね。
セット内容など、気になる詳細は後半で詳しくご説明します。
では、ここからは「写経ってそもそもどんなのものか?」など、写経にまつわる疑問を解説していきます。
そもそも写経って?
では、そもそも写経とはなにか?
見ていきましょう!
始まりは経典の布教(ふきょう)のため
ここまでご紹介してきた写経ですが、そもそも写経とはなにか?についてもご紹介します。
「写経」と書いて「しゃきょう」と読みます。
読んで字のごとく「お経を書き写すこと」が写経です。
印刷技術の発展していなかったころ、仏教を広く世の中に広めるためには、お経を人の手で書き写す必要がありました。
日本では奈良時代頃、正しくお経を書き写すことが国家事業と行われていました。
「写経所」では、お経を書くことが仕事となっており、「正しく書いたら報酬がもらえる」「間違っていたら罰金」という制度まであったそうです。
ですので、写経は「お経を正しく写して世に広めるため」に生まれたものでした。
時代が進むと「信仰」「供養」のために
時代が進むに連れ、写経は「仏教を広めるため」だけでなく、修行のため、個人的な祈りのたにもされるようになりました。
特に法華経では
この経を受持し、読誦し、解説し、書写し、説の如く修行すれば、よく大願を成就す
と記載があり、写経すること自体が功徳を積む修行であるとみなされています。
(この名残からか、現代売られている「写経」テキストも“般若心経”がほとんどです。)
平安時代ころになると、功徳を積むため以外に、個人の祈りや先祖の供養のためにも写経がわれるようになりました。
現代では学習・趣味・リラックスのために
写経は時代によって様々な理由で行われてきましたが、現代では「学習」や「趣味」として写経がされることも多くなりました。
書道の課題として“写経”が選ばれることもあるんだとか。
また、最近では20代後半~30代前半の女性の間でも写経はひそかなブームとなっているんです(NHK調べ)
「自分と向き合う時間が持てる」
「1文字1文字書くことでリラックス出来る」
こんな理由から、写経を趣味として続ける方も多いみたいですね。
確かに、写経をしていると無心で書くことに集中できて、日常の慌ただしさから離れることが出来ます。
家事、仕事、育児と忙しい女性に人気があるのも納得できました。
写経は時代を超えて続いている文化でもあるんですね。
では、そんな歴史のある写経ですが、始める時に気になる「お金」や「時間」について見ていきます。
参照サイト:https://ja.wikipedia.org/wiki/写経
写経ってお金がかかるんじゃない?
「写経って面白そうだけど、お金がかかりそうじゃない…?」なんて、思いませんか?
実は私も思いました。
筆に硯(すずり)に墨に文鎮(ぶんちん)、下敷き、半紙、お手本と用意するんなら、けっこうお金がかかるんじゃないかと心配になりますよね?
もう、小学校の“書道セット”一式そろえるイメージですよ。
実は、写経は1,000円もあれば始めることができます。
とくに、初心者のうちから筆と墨はハードルが高いので、“筆ペン”を使って出来る「写経セット」が断然おすすめです。
この写経セット、安いものだと500円、高くても2,000円もあれば買うことが出来ます。
売っている場所も街の本屋さんから、書道道具やさん、ネット通販だとアマゾン(Amazon)・楽天でも買うことができますよ。
私は本屋さんで『心を調える般若心経はじめての写経 新訂[本/雑誌] / 小峰彌彦/監修』を見つけて買ったのですが、Amazon・楽天でも販売していました。
先ほどご紹介したように、御朱印がもらえる写経セットです。
セット内容はこんなかんじです。
・なぞり書き写経用紙12枚
・筆ペン1本
・写経・般若心経全文解説書
だいたいどの写経セットも中身はこんな感じです。
1つずつ詳しく見ていきます。
なぞり書き写経用紙12枚
「新訂 心を調える般若心経 はじめての写経 」(小峰彌彦 著, 監修)のなぞり書き写経用紙は「旧漢字」で書かれているため、少しむずかしいです。
その分、巻数を追うごとに成長がわかりやすいのも特徴です。
12枚も用紙が入っているので、写経を充分に楽しめますよ。
「12枚も入ってるなら間違えまくっても安心!」と思うかもしれませんが、写経は文字を間違っても用紙を捨てることはしないので丁寧に書いてくださいね(笑)
筆ペン1本
「風信雲書」の金色の文字が入ったカッコイイ筆ペンです。
カッコイイだけでなく、書き味もいいです。
このペン1本で写経用紙12枚分は書ききれそうです。
私は筆ペンで文字の練習や絵を書いていたのでインクが足りなくなりました。
もし、私と同じようにインクが切れそうなら、こちらの筆ペンが筆らしい使い心地でおすすめです。
写経・般若心経全文解説書
般若心経の解説、写経の正しい方法などが載っています。
初心者にはありがたい本です。
これだけそろって980円(税別)です。
写経ってなんだかお金がかかりそうなイメージですよね?(私だけ?)
実は、こんな感じでかなりお手頃価格ではじめることができるのでちょっとした趣味にうってつけです。
写経ってすぐにできるの?
お経を書き写す“だけ”なら「写経セット」を買ってすぐに始められます。
“だけ”と書いたのは、本当に正しいやりかたで写経をするなら下記のように、細かなルールがあるからです。
「部屋の清掃」
「ご本尊様のお祀り」
「香を焚いて花を活ける」
…
もう少し詳しく書きたいところですが、私も正確にはわかっていません。
「細かなルールは後で勉強するとして、まずは写経をしてみたい!」
という場合は、写経セットを買ったらすぐに始められます。
ちょっと写経にもなれてきて、「細かなルールもしっかり理解したい!」となったら、お寺に足を運ぶのもいいかもしれませんね。
※楽天トラベルで「写経」で検索をかけるといろいろな宿が出てきました。
関東だと、神奈川県の「東學坊」さんで瞑想と写経ができるプランがありました。
写経って時間がかかるの?
「忙しい人におすすめって言っても、写経って時間かかりそうじゃない?」なんて思いませんか?
私も写経をはじめる前は「すごく時間がかかりそう…」と思っていました。
これまた意外と、写経って実はそんなに時間がかかりません。
般若心経“すべて”書き写すには、初心者で、90分~120分程度かかります。
思ったよりも短い時間ではないでしょうか?
さらに、写経の目的が“リラックス”や“リフレッシュ”なら、1~2行書き写すだけでも充分な効果を実感できますよ。
私は「家事で疲れた」「仕事で頭の中がゴチャゴチャする」時に、1~2行、集中して写経をするようにしています。
1~2行書くのには5~10分ほどかかります。
この5~10分の間、集中して写経することで、頭の中はスッキリして、仕事の効率も格段にアップします。
なので、「写経をしてみたいけど、時間がない!」という人は、経典を“全部書き写す”ことにこだわらず、“1~2行書いてみる”ことがおすすめです。
まとめ 写経の効果はすごかった!
以上が今流行りの写経をしてみて感じた効果と写経にまつわる疑問についてでした。
なにかに没頭(ぼっとう)する感覚は人生や生活に満足感をもたらしてくれますよね。
写経はそんな“没頭感”“没入感”を手軽に味わえるものだとわかりました。
現代の忙しい女性達に写経がウケているのは、これら“無心”の心地よさで日常の疲れを癒やしてくれるからではないでしょうか。
お金もかからないし、短時間でも楽しめる。
そして、筆(ペン)使いも上達する。
嬉しいメリットいっぱいの写経、大人の女性のあなたも始めてみませんか?
書き終わるころには、スッキリ晴れやか気持ちになれますよ。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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